ジュエリーワンダーラスト

エシカルジュエリーブランドの立ち上げ準備の記録と海外暮らしについて。

安心安全の日本製

石を見るための必需品といえば、ルーペとピンセット。数ある中から私はルーペは日本のNikon、ピンセットはスイスのRegineというところのものを使っている。

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日本×スイスの超信頼タッグ

 

私にとって初めてのルーペとピンセットのため比較対象がないのだが、今のところ問題なく満足している。前にも話した通り、私は使う道具に出来ればお金をかけたい。

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もちろん安くても問題なく使えるものも多々あるが、「安物買いの銭失い」にならぬよう、これまでの経験からなるべく一定の値段以上のものを買うようになった。年は取ってみるものだ。

 

ところで、実際の品質に関わらず人は日本製やスイス製と聞いただけで高品質だと思う。これは「ソフトパワー」の賜物だ。「ソフトパワー」とは、武力などを指す「ハードパワー」の逆、つまり「文化力」ともいえる。私が「ソフトパワー」という言葉を始めて知ったのは大学の講義。教授は非常に分かりやすい例を挙げてそれを説明をしてくれた。

 

北朝鮮がミサイルを打ったというニュースが流れたら北朝鮮が悪いと思うけど、それがスウェーデンだったら、まず信じないか、信じたとしても何かやむを得ない事情があったと思うでしょ?それがソフトパワー」。

 

スウェーデンのイメージと言えば、おしゃれな北欧家具、男女平等、手厚い福祉…いいことばかり。そんな国が何の理由もなくミサイルを発射するわけがない、特段説明がなかったとしても大抵の人々はそう思う。日本だってクールジャパンを打ちだして、世界中にkawaiiやアニメや漫画を輸出している。世界中のアニメファンは、もし日本がどこかの国から攻撃されたらきっとその国を非難する。「世界中の人に自国を好きになってもらうこと」、これに勝る国防はないのではないか。

 

話が国防にまで飛んだが、つまり言いたいことは、いいイメージを持ってもらうことは非常に得であるということだ。

 

私も学生時代は優等生で通っていたので、一度くらいの遅刻は先生に見逃してもらえた。ただし、いいイメージは一朝一夕にできるものではない。先生に遅刻を見逃してもらえるようになるまでには、授業に積極的に参加し、テストでいい点を取り、生徒会にも参加し、と日常的な不断の努力を要した。

 

これは国の「ソフトパワー」と同じ原理だが、人や物になると「ブランディング」と言い換えることができる。グランサンクと呼ばれる一流ブランドなどを見ていればお分かりの通り、その名前を冠しているだけで、人はその製品を全面的に信頼し、納得した上で高額な金額を支払う。それはなぜかと言えば、そのブランドが長きにわたって高品質なものを製作し、顧客の信頼を勝ち得てきたという歴史があるからだ。無名の頃から誠実に質にこだわり、信念をもってモノづくりを行い、それが評判を呼び、それを何年も続けていくことで初めて、「ブランド」というものは出来上がる。そう考えると果てしないが、ここに近道は存在しない。私はラグジュアリーブランドを作るつもりではないが、ファンのつくブランドを作りたいと思っている。皆には好かれないだろうが、一部の人には大好きになってもらえるようなブランド、それが目標だ。