ジュエリーワンダーラスト

エシカルジュエリーブランドの立ち上げ準備の記録と海外暮らしについて。

幸運は勇者に微笑む

宝石鑑別の資格(GIA GG)を取った!

 

いや、長かった。当初「半年で取るのが目標」といっていたが、結局2年かかった。

 

jewellerywanderlust.hatenablog.jp

 

リモートだと2年くらいが普通と聞いていたので、特段時間がかかったわけではないが、とにかくあっちこっち外国に行っていたことを言い訳に、勉強を全くしない空白期間が何か月もあったことが原因だ。

それからロジ回りに納得できないことがあって学長にメールを送り、先方と若干バトって時間をロスしたことも原因かもしれない(解決済み)。

 

最終試験を受けるためには、練習用の石500個を鑑別しなくてはならなかったのだが、まあこれが永遠に終わらない。来る日も来る日も石を鑑別しては、その回答をアメリカの指導教官に送り、フィードバックをもらう、を繰り返した。締め切りもあったため、「いや、これ本当に期限までに終わるのか?」と柄にもなく不安で泣き出しそうな夜もあった。

 

GIA GGを取得すると、いわゆる「宝石鑑定士」が名乗れるようになるのだが、実際のところ「宝石鑑定士」という名の正式な資格は存在しない。GGは無理やり日本語にするならば、「宝石学修了者」となるのだが、それだとあまりにも分かりづらいので、一般の人にも分かりやすくするために、便宜上「宝石鑑定士」を使おうと思う。

 

さて、無事に資格を取得したことで、言い訳がなくなった。

 

なんの言い訳かと言えば、まだウェブショップがオープンできない言い訳だ。試験勉強に時間を取られて、ウェブショップの準備やアイテム製作に100%は集中できなかった、と自分を納得させていた。

 

本当は資格勉強中にも、甲府や御徒町の職人さんとともにアイテム製作を進めていたし、外国の業者とコンタクトを取って石を調達していたりはした。それが最近はめっきり小休止状態になっているのは、とある挫折がきっかけだ。

 

挫折の原因は至極単純、「職人に頼んで作ってもらったアイテムの出来が悪かった」のである。

 

宝石を外してもう一度やり直せばいいのだが、そうするにも「同じ職人さんにはもう頼めないな」とか、「新たな職人さんをどう探そう…」などなど、考えることが頭の中をぐるぐる駆け巡り、結果的にパンクしてしまった。金銭的痛手というよりは、「もう少しでアイテムが出来上がると思ったのに、また一からやり直しになってしまった」という精神的ショックが大きかった。

 

少し冷静になると、自分にはどこかで「日本の職人に頼めば必ずいいものができる」という固定観念があったことに気が付いた。

 

これまで外国の会社や団体と働く機会も多く、日本の取引先が「リマインドせずとも締め切り通りに、頼んだ通りのモノを仕上げてくれる」ということに、心の底から感動していた。

 

そんなこともあって、今回お願いしていたアイテムの出来に納得いかず、とても商品にはできないと分かった時、期待が大きった分落胆も大きく、頭が真っ白になってしまったのだ。

 

日本はすべてにおいて「平均が高い」。それに慣れて、「日本の職人に頼んだのだから大丈夫」とか「プロに頼んだのだから大丈夫」とか、そう思い込んでいたのだろう。

 

普通に考えて、プロの中にもそりゃ上手い人もいれば下手な人いる。だからこそ、何か事業を始める人間は(たとえその道のプロと組むにしても)、その見極めをするために無知でいてはダメだし、センスがなくてもだめなのだ。    

 

さて、今回の件に関して私の対応の選択肢は2つある。ひとつは「ほかの職人さんに作り直しをお願いする」。幸いツテを伝って他の職人さんとも出会うことができたので、そちらに相談してみる。ふたつめは、「ラインナップを変更する」。準備しているアイテムは他にもあるので、ひとまずそれらを優先し、今回のアイテムは後回しにする。

 

どちらにするかは現在絶賛悩み中だ。実はまだ、上手くいかなかったアイテムを見ると心が痛むので、見えないところに封印しているのだ。意外と繊細でしょ。しかしもう7月も終わるし、いつまでもそんなことも言っていられない。いい加減どっちにするのか決めるぞ。

 

小休止おわり!