ジュエリーワンダーラスト

エシカルジュエリーブランドの立ち上げ準備の記録と海外暮らしについて。

ご当地CMのノスタルジー①

サンプルを作ってもらう工房との打ち合わせのため、山梨県甲府市を訪れた。

 

今回新宿からバスで行ったのだが、どんなに早めにバスターミナル付近に着いても、余裕こいてカフェで食事をしたり、道中食べるじゃがりこだの干芋だのを買っていて、結局走って乗車場に行く羽目になるのはなぜなんだろう。そういう妖怪でもいるのだろうか。とにかく、「旅行の乗り物は、必ず駆け込んで乗らなくてはいけない」というマイルールを自分に強いているとしか思えないほど、毎度同じことを繰り返している。

 

そんなこんなで無事目的の工房に到着。地方特有の人の温かさと緩さを纏いながら、打ち合わせは1時間ほど続いた。終わり際に、地金の色味について確認するため、いくつか例として指輪を見せてくれたのだが、その中に見覚えのある指輪が。「あれ…この指輪って、〇〇っていうブランドのXXっていうコレクションじゃないですか!?」と興奮気味に尋ねると、「え、よく分かりましたね!そうです。うちで作ってるんですよ」と。

 

私はジュエリー好きの趣味と競合他社のリサーチを兼ねて、日ごろから色々なジュエリーブランドのHPを巡回している。そのアイテムはパヴェがとても美しいのだが、いかにも石選びとセッティングが大変そうで、どんな工夫で作られてて、どういった点で作るのが難しいのかまで、そのブランドのブログなどを読んで知っていた。選んだ工房が、図らずもその指輪の制作を請け負っている工房だと知って、信頼が爆上がりしたのだった。

 

それと同時に、案外地金が薄いことにも気が付いた。私は今のところ原価に制限を設けずにサンプルづくりを行っているので、金が高騰している今、地金代で結構参っている。これからどうにか工夫して地金を減らすかも考えなくてはいけないが、地金たっぷり主義としては絶対にペラペラなアイテムは作りたくないなとも思う。悩ましい。

 

今回の打ち合わせの目的はほとんど挨拶で、実際のやりとりはほとんどメールやZoomなど、遠隔で行うことができる。ということで、作るアイテムについて大体の方向性や絶対にこうしてほしい、というこだわりを共有したところで、打ち合わせは無事に終わった。

 

すべて終わってホテルにチェックインすると、自分が意外と緊張していたことに気が付く。部屋について落ち着いた瞬間、猛烈に空腹が襲ってきたのだ。時間は少し早いが、夕食を取りに駅前に繰り出す。山梨と言えばほうとうだが、正直私はほうとうが苦手だ。分厚く練った小麦粉全般が苦手なので仕方がない。同様の理由で、ニョッキもさほど好きではない。そんなこんなで結局選んだのはお寿司。海なし県で寿司をたべることで、「海がなくても生魚がおいしい」と日本にいる喜びを噛みしめた。

 

そのあとは土産屋で信玄餅の派生お菓子を購入し、ホテルに戻って食べながらテレビを観る。地方のホテルのテレビで流れる、ご当地CMが好きだ。まるでなじみのない土地にいるのだと確認させてくれる。高揚感と一抹の不安やさみしさを感じさせてくれる。

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大人気信玄餅。それだけで終わらず、派生商品を次々生み出す商売根性を見習おう。

そんな束の間の非日常に浸りながら、私の甲府1日目は幕を閉じた。